どういうものだっけ?
今日は“キャッツ”や“オペラ座の怪人”といった、有名なミュージカルの振り付けを手がけたジリアン・リンさんのお話じゃ。
ぼく、その人の名前は聞いたことないなー。
振り付け師は裏方の職業じゃからな。
あるイギリスの教育アドバイザーの方が、ジリアン・リンさんの学生時代のエピソードを講演の中で紹介されたんじゃ。
わしはそのエピソードにすごく感銘を受けたんじゃよ。
マナブにぜひ聞いてほしかったんじゃ。
とても素敵なエピソードじゃから少し長いんじゃが聞いておくれ。
ジリアン・リンのエピソード
今“エピファニー”という新しい本を執筆中です。
いかに人間は自分の才能とめぐり会うか。
その過程について色々な人にインタビューしました。この本を書くきっかけを与えてくれたのは、
恐らく皆さんが知らないある女性です。
ジリアン・リンといいます。彼女は振り付け師です。
彼女の作品は誰もが知っています。
“キャッツ”や“オペラ座の怪人”です。
彼女は素晴らしい。私は昔、英国ロイヤルバレエの役員でした。
ジリアンとランチをした時尋ねたんです。
「どうやってダンサーになったの?」
彼女の答えは興味深かった。
ジリアンは小学生の頃まったくもって絶望的でした。
1930年代のことです。学校は彼女の両親に
ジリアンには学習障害があると伝えたんです。
集中力がなくいつもそわそわしていた。
今だったらADHDと言われるんでしょうが、
1930年代はADHDなんて
概念はありませんでしたから
そう判断することはできなかったですよね。ジリアンは専門家に相談に行きました。
重厚な壁に囲まれた部屋で
部屋の隅にある椅子に座るよう言われ、
20分も何もせずに座っている横で
専門家は母親とジリアンの学校での問題について
話していたそうです。
ジリアンはいつも遅れて宿題を出したり
他の生徒の学習に支障をきたすと。最終的に医者がジリアンの所に来て言いました。
「ジリアン。
君のお母さんの話をいろいろ聞いて
お母さんと2人で少しお話がしたいんだ。
少しここで待ってて」
ジリアンを1人残し、
医者と母親は部屋を出て行きました。
その際に医者はラジオのスイッチを入れました。そして部屋の外で母親に
「ここでジリアンを見ていて下さい」と伝えました。
するとジリアンは元気そうに、音楽に合わせて動き始めました。
母親と医者はそんなジリアンを見守りました。
そして医者は母親に言ったんです。
「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃありません。
ダンサーですよ。
ダンススクールに通わせてあげなさい」私はその後を尋ねると、
「行かせてくれたわ。
どんなに楽しかったか言葉じゃ表せない!
ダンススクールには私みたいな子ばかりいた。
みんなじっとしてられないの。
考えるのにまず体を使わなくちゃいけない」彼女はバレエやタップやジャズダンスを習いました。
モダンやコンテンポラリーもやりました。
ジリアンはやがてロイヤルバレエ学校の
オーディションに受かってソリストになり、
見事なキャリアを築きました。それからロイヤルバレエを卒業して、
ジリアン・リン・ダンスカンパニーを設立しました。
その後アンドリュー・ロイド・ウェバーと出会い、
ジリアンは歴史上もっとも偉大なミュージカルを手がけます。何百万人もの人に感動と喜びを与え、
Sir Ken Robinson: Do schools kill creativity? | TED Talk
経済的にも大成功しました。
あの医者じゃなければ彼女を薬漬けにして
おとなしくするように言っていたかもしれません。
ジリアン・リンのエピソードから得られる教訓
このエピソードでマナブはなにを思ったじゃろう?
だってそれがなかったらずっと息苦しい人生だったと思うもん!
ジリアンさんにとってダンスが人生を変えたことはまちがいないからな。
“コンプレックス”と“才能”は表裏一体、
と感じたんじゃ。
表と裏の関係、
ということじゃ。
“コンプレックス”と“才能”は表と裏の関係
みなちがう特徴を持っておる。
他の人たちと似ている特徴もあれば、まったくちがう特徴もある。
自分の持つ特徴が強ければ強いほど、みんなと違うからコンプレックスに感じやすいもの。
「みんなと違うからダメなんだ」と思ってしまうんじゃ。
じゃからその特徴を直そうとしたり隠そうとしたりする。
でも実はそこには他の人にはできない“自分だけの得意なこと”が潜んでおる。
つまり、才能はコンプレックスの裏側にあるんじゃよ。
例えば、勉強が得意な人、スポーツが得意な人、絵を描くのが得意な人。
その人たちは学校の授業の中で自分の才能を発揮できるからじゃ。
逆に言うと、それ以外の人は自分の才能に気づくことが難しいということじゃ。
才能というものはアウトプットしないことには自分で気づけないものなんじゃよ。
つまり“行動”や“活動”のことじゃな。
学校教育でやってることなんて世の中にあることのほんの一部でしかない。
じゃから、学校で自分の得意なことを見つけられなくても「自分には才能がない」なんて思わず、いろんなことにトライしてたくさん経験をして、その中で自分に合うものを見つけてほしい。
わしはそれをこのエピソードで伝えたかったんじゃ。
じゃあぼくにもなにかの才能があるかもしれないの?
これからわしと一緒に見つけていこう。
まとめ
今日マナブはハカセからジリアン・リン氏のエピソードを聞かせてもらった。
このエピソードのあらすじは下記。
ジリアン・リン。
彼女は振り付け師です。
彼女の作品は誰もが知っている、
“キャッツ”や“オペラ座の怪人”です。
ジリアンは小学生の頃、絶望的でした。
学校は彼女の両親に
ジリアンには学習障害があると伝えたんです。
ジリアンは専門家に相談に行きました。
部屋の隅で何もせずに座っている横で
専門家は母親とジリアンの学校での問題について
話していたそうです。
最終的に医者がジリアンの所に来て言いました。
「ジリアン。
お母さんと2人で少しお話がしたいんだ。
少しここで待ってて」
ジリアンを1人残し、
医者と母親は部屋を出て行きました。
その際に医者はラジオのスイッチを入れました。
するとジリアンは元気そうに、
音楽に合わせて動き始めました。
そして医者は母親に言ったんです。
「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃありません。
ダンサーですよ。
ダンススクールに通わせてあげなさい」
私はその後を尋ねると、
「どんなに楽しかったか言葉じゃ表せない!」
彼女はバレエやジャズダンスなどを習いました。
ジリアンはやがて見事なキャリアを築きました。
それから自身のダンスカンパニーを設立し、
歴史上もっとも偉大なミュージカルを手がけます。
何百万人もの人に感動を与え大成功しました。
あの医者じゃなければ
彼女を薬漬けにしていたかもしれません。
ハカセが考える、このエピソードの教訓は下記。
“コンプレックス”と“才能”は表と裏の関係
ハカセがこのエピソードで伝えたいことは以下のことだと言う。
学校教育で経験できることは世の中にあるほんの一部。
だから、学校で自分の得意なことを見つけられなくても「自分には才能がない」なんて思わず、いろんなことにトライしてたくさん経験をして、その中で自分に合うものを見つけてほしい。
マナブは自分にもなにか才能があるのかもしれないと知り、未来に胸をときめかせた。
参考文献
Sir Ken Robinson: Do schools kill creativity? | TED Talk
https://www.ted.com/talks/sir_ken_robinson_do_schools_kill_creativity